送信ボタンを押したら「送信済み」と出た。
でも、私の記録がない。
第1作では献立アプリを作り、第2作ではそれを守る方法を覚えました。 第3作は、いよいよ自分の農場の仕事です。何の作業を何時間したかを送る日報アプリと、畑の記録をつける管理ツール。 春に相談を始めてから、9月に社員が使い始めるまでの話です。
アプリは、思ったより早く「できた」ように見えます。でも、現場の人が毎日使える道具になるまでには、その先がありました。
登場するAIチーム
- クロエ(Claude)…相談・整理役
- ボスクロ(Claude Code)…作る係。パソコンの中で、アプリを作って直す
- コデ(Codex)…別の目で確かめる係。今回は開発にも参加
- チャッピー(ChatGPT)…第2・3話のはじめに、それまでの話を振り返ってくれる案内役
3つの話の流れ
- 第1話 まず、みんなが使えるものを
作る前に、現場の前提を伝える話。手帳の印の意味、種の「待機」、刈った後にまた伸びるねぎの数え方。 - 第2話 使うほど、直すところが見えてくる
試しのデータから本物のデータへ。自分で使ってみて、直すところが次々に見えてくる話。 - 第3話 みんなへ渡す。現場で答えを見つける。
社員に渡した後の話。手帳を使わずに、スマホだけでねぎの育ち具合(長さなど)を記録した日。そして、スマホの違いで起きた困りごとを、見たままを伝えながら直していく。
作ってみて分かった6つのこと
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「動いた」と「現場で使える」は違う
画面には「送信済み」と出たのに、記録が入っていない。時間を置いてもう一度送ったら、今度は入った。 自分ひとりで試して動いても、ほかの人が、ほかの時間に、ほかのスマホで使うと別のことが起きます。
「動いた」はスタート地点。使う人のところまで届いて、はじめて「使える」になりました。
自分の仕事なら:「動いた」と思ったら、実際に使う人に1回使ってもらう。届いたかどうかは、送った先を見て確かめる。
漫画では → 第1話「送れた、はず」
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現場の前提は、言わないとAIには分からない
手帳に書いた丸や印には、全部意味があります。買ったけれど、前の種が残っているので使わずに置いてある「待機」の種。 一度刈ったねぎがまた伸びて、もう一度収穫する「2作目」。
どれも私には当たり前でも、AIは知りません。説明した分だけ、画面が現場に近づきました。
自分の仕事なら:「当たり前」ほど書き出して渡す。手書きのメモや帳面の写真を見せて、印の意味を1つずつ説明する。
漫画では → 第1話「一度刈ったら、終わり?」・「『待機』の理由」
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説明したことは、ファイルに残す
前にクロエに話したことを、ボスクロにもう一度、細かく説明していました。「最初からメモしておけば簡単だったのに」と思いました。
そこで、現場の決まりや説明を「ルール帳」というファイルに残すようにしました。AIは次の作業の前にそれを読むので、同じ説明を二度しなくて済みます。 第1作で覚えた「残す」が、ここでも効きました。
自分の仕事なら:同じ説明を2回したら、それは残すサイン。AIに「今の説明をメモに残して」と頼むだけでもよい。
漫画では → 第1話「覚えていてほしかった」・第2話「説明したことも、残そう」
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試しのデータは、きれいすぎる。本物で確かめる
試しに入れたデータが、番号順にきれいに並びすぎていて、並べ替えが正しいか確かめられませんでした。 本物のデータを入れ始めると、番号が勝手に日付に変わって(たとえば「3-01」が「3月1日」に)、どの作の記録か分からなくなる問題も出ました。
整った試しのデータでは見えない問題が、本物にはあります。
自分の仕事なら:試す時は、わざと順番をばらばらにしたり、いつもの書き方の番号を混ぜたりする。最後は本物のデータの写し(コピー)で通してみる。本物の記録は、必ず控えを取ってから。
漫画では → 第2話「きれいに並びすぎた」・「番号が、日付になった」
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PCで見える、では足りない。スマホで見る
倍率の欄に「2000」と入れたのに、スマホでは欄が小さくて「2」しか見えない。読み違えたら大変です。
パソコンの大きい画面ではちゃんと見えていたので、使う人と同じスマホで見るまで気づけませんでした。
自分の仕事なら:作った画面は、使う人と同じスマホで、一番長い数字や名前を入れて見てみる。
漫画では → 第2話「二千倍が、二」
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「おかしい」を、見たままの言葉にする
社員が使い始めると、いろいろなスマホで困りごとが出るようになりました。 私のスマホでも、AIはiPhoneだと思い込んで直そうとしていたことがあります(違います)。機種を想像するより、実際の動きを見る方が近道でした。
押したところと違う所が押されてしまう問題では、私はこう伝えました。「ズレは下を押される。指3本分はずれる」「丁度キーボードくらいな気がする。そして、画面を横にするとずれが戻った」。 こうやって見たままを伝えると、AIは確かめるための検査画面を作ってくれて、実際のスマホで直し方を比べられました。
自分の仕事なら:「なんか変」ではなく、「どこで・何をしたら・どうなったか」を伝える。スマホの機種名や、ネットを見るアプリ(Chromeなど)の名前も添える。
漫画では → 第3話「そのスマホ、違います」・「『おかしい』を、観察に変える」
手帳を使わずに測った日
9月15日、初めて手帳を使わずに、スマホだけでねぎの育ち具合を記録しました。9月26日には、自分のスマホ(Chrome)で「今日は順調だった」と言えました。
振り返ると、畑のことは全部、私の頭の中にありました。それが少しずつ、社員やAIに渡せる形になってきています。 完成ではありません。使ってみたら、また一つ気づく。それを話して、また直す。今も続いています。
※漫画の本編の台詞と場面は、当時の記録をもとに組み立て直したものです。会話ページは実際のやり取りからの抜粋です(名前の置き換え・AIの返事は要約)。社員の名前や画面の中身は、公開用に変えています。今のアプリの動きや仕様を約束するものではありません。
もう、一人で覚えておかなくていい。
それが、「できた」の先にありました。